MP3 AAC WMA WAV 違い・比較・音質、ビットレートの決め方

wav mp3 aac wma.jpg
最近は音源といえばデジタル音源。圧縮音源形式もいろいろあります。
比較した場合の特徴・音質、おすすめのビットレートなど。
また、音楽CDを焼く際の注意点も。

パソコンやスマホ、CD などで耳にする音はデジタル音源です。
音の波形をデジタル符号化して記録してあるものです。
今回扱うのは WAV、MP3、AAC、WMA ですが、 形式ごとに 1つずつ解説します。
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デジタル音源 フォーマットによる違い

■ WAV
まず CD などの形式の WAV ですが、WAVE 形式または PCM音源と呼ばれ、無圧縮のフォーマットです。他の形式の元となり、 これが一番音質が良いのですが、データ量は他の圧縮音源に比べ、ずば抜けて大きくなります。

およその容量は 5 分で約 53 MB です。

CD の場合、サンプリング周波数 44.1kHz、16bit と呼ばれるフォーマットになります。

サンプリング周波数とは標本化とも呼ばれ、時間軸に対しての細かさを表します。

CDですと 1 秒間に 44100 回サンプルを取るということです。
これで音の上限周波数が決まります。
サンプリング周波数の半分の周波数まで記録出来ます。

ビット数とは量子化とも呼ばれ、音量の振幅をどれだけ細かく取るかというもの。
CD ですと無音から最大音量までを 2 の 16 乗 = 65536 段階で記録します。

ビット数が低いとザラついた音質になります。

要するに、このサンプリング周波数とビット数が大きければ、波形がなめらか、かつ広域になり元の音源に近づけるというわけです。

ただこの WAVE 形式のデータ量は非常に大きく扱いにくいため、現状では圧縮音源の MP3・AAC・WMA が多く用いられます。

圧縮音源とは、人間の聴感上差し支えない音を間引いて、データ量を減らすというものです。

圧縮音源は可逆式と非可逆式があり、今回は取り扱わないですが、FLAC などの可逆圧縮音源は、ロスレス形式とも呼ばれ、
再生時、完全に元のデータに復元されるため、音質の劣化がない形式です。

MP3・AAC・WMA は非可逆圧縮音源と呼ばれ、間引かれた情報は再生時には失われたままとなります。

そしてその間引き加減を表す単位として、ビットレートというものが使われます。
1秒間にどれぐらいのデータを使うかというもの。
表記は bps(ビット・パー・セカンド)です。

データ量を多く取れれば、それだけ多くの情報を再現出来るのでビットレートは高ければ高いほど音質が良くなります。

ちなみに WAV のビットレートは 1411kbps です。

では MP3、AAC、WMA 、各形式の特徴や解説です。

■ MP3
他の 2 つに比べ一番古くからある形式で 1995 年に出来た規格。
古いだけあって対応機器は 1 番多い。
実質、非可逆圧縮音源の標準フォーマット。

■ AAC
2番目に古いもので 1997 年に出来た規格。地上デジタル放送やBS デジタル放送の音声は、この形式が使われています。
MP3 より対応機器は少ないですが、近年 iPod や iPhone の普及でポピュラーな形式になってきています。

■ WMA
Microsoft 独自の形式で、対応機器は一番少ないと思います。
一番新しい規格で、いくつかバージョンもあり対応機器はバージョンによっては再生出来ないことも。
WindowsPC で使用する以外は使い勝手は良くないです。


この 3種類は圧縮(エンコード)する際のアルゴリズム(圧縮の仕方)が、それぞれ違います。復元再生(デコード)のときには再生機器が、そのアルゴリズムを理解して再現出来なければ再生出来ません。

つまり対応しているしていないとは、再生したい形式をデコードする機能があるかどうかということです。

単体の機器の場合は、再生したい形式をデコードする回路が、実装されていなければ基本的に再生不可です。

パソコンの場合は、デコーダ(復元再生するプログラム)が追加出来るので、各形式に対応したデコーダを用意してしまえば、再生出来るようになります。


エンコード・変換する際のポイント

設定を決めるときに一つの目安となるのは上限周波数です。
ビットレートが低いと、ある周波数で高域がカットされてしまいます。

高い周波数に含まれる音とは、ドラムのハイハットなどのきらびやかな音などのこと。

これは音質を判断をする上で、最も分かりやすく重要で、高い周波数が欠けると、こもったように聴こえ、あからさまに音質が悪いと感じ取れます。

傾向として AAC と WMA は後発ということもあり低ビットレートでの上限周波数が MP3 よりも高くとれます。

特に低いビットレートのときにそれは、より顕著となり MP3 は、周波数特性を欲張らず AAC ・ WMA は周波数特性を重視して圧縮されている印象です。

低ビットレートでの AAC は後述のサンプルを聴いてもらえばわかりますが、クセがあるものの、MP3 と比べ周波数に関して非常に良く出来ています。


MP3 と AAC、WMA が同程度の上限周波数になるのは 160kbps 。
それより高いビットレートだと MP3 のほうが上限周波数が上です。
160kbps より低い 128kbps などでは逆に AAC、WMA が上です。

具体的には ビットレートが 128kbps のときの MP3 の上限周波数は約 15,000Hz 。これが AAC ですと 18,000Hz を超えるぐらい。
ビットレート 160kbps のときでは、MP3 、 AAC ともに 19,000Hz程度です。

つまり 160kbs 〜であれば汎用性のある MP3 がおすすめ。
128kbs 以下で抑えたいのであれば AAC、WMA をという感じです。

変換ツール類などは、やはり MP3 が豊富なので使い勝手は MP3 が一番です。
WMA は対応度の面で不安が残ります。


ただこれは上限周波数に限った話です。
音質というのは上限周波数だけで決まるものではありません。

もしそれだけで決まるのであれば人間の可聴帯域まで再生出来れば違いがない、ということになってしまいます。

では他に何が違ってくるのかと言いますと、音場感、音の密度、分離など。
個々の音源が混ざってしまったり、奥行き感、定位がぼやける
といった影響が出ます。

また変換する際、容量の都合でビットレートが多く取れないといったパターンもあるかもしれません。
低ビットレートでは、サンプリング周波数を落とすことで、良い結果が得られることもあります。

2 つの例を挙げます。

1 つ目は人の声など元々高い周波数の信号が多く含まれていないソース。
他にソロピアノなども高い周波数成分が意外に多く含まれていません。

なので、こういった場合は思い切って高い周波数をカットする代わりに、中域の密度、充実性を保つという考え方です。

もう 1 つ、人間の聞き取れる周波数は加齢とともに上限が落ちていきます。
16 kHz の周波数は 10 代 20 代では聞き取れる方は多いのですが、中年以降の方は、逆に聞き取れる方のほうが、遥かに少なくなります。

つまり元々、聴こえないのであれば、その周波数をカットして、可聴帯域の充実を図るという考え方です。

自分の聴き取れる周波数をチェック出来る記事を書きましたので参考に。
耳 周波数 テスト 限界 チェック どこまで聴こえる?

一般的に使われるサンプリング周波数は、CD と同じ 44,100Hz 。
この場合の上限周波数は約 20,000Hz 。

サンプリング周波数が 22,050Hz 場合の上限周波数は 10,000Hz 程度。
単純にサンプリング周波数の約半分の上限周波数となります。

通常はサンプリング周波数を変更することは、あまりないですが、特殊な例として書きました。


ビットレートによる音質の違い

実際にビットレートが変わると、どのように音質が変化するのか、オリジナル曲ですが、比較サンプルを挙げてみます。

元ファイル サンプリング周波数 44,100Hz 無圧縮 WAV (約 3 MB)
Web の都合上、元の WAV ファイルはダウンロードする形でしか、お聞かせする事が出来ません。
ダウンロード出来る環境の方は比較してみてください。

比較する形式は MP3 。
サンプリング周波数 44,100Hz でビットレートが 64kbps、128kbps、160kbps、256kbps になります。


■ MP3 44,100Hz 64kbps

あきらかに高音域がカットされています。
中音域も濁りが激しくなります。


■ MP3 44,100Hz 128kbps

標準的なビットレートの 128kbps 。
WAV と比較すると、まだ音の分離感の減少、高音域の落ち込みが見られます。
しかし単独で聴くと意外と聴けることが分かるかと思います。


■ MP3 44,100Hz 160kbps

音質にある程度こだわるなら、この 160kbps か 192kbps のビットレートを選んでおけば問題ないでしょう。


■ MP3 44,100Hz 256kbps

聴感上、劣化具合が分からないかと思います。


参考までに AAC と WMA です。

■ AAC 44,100Hz 128kbps

同ビットレートの MP3 より充実していると思います。


■ AAC 44,100Hz 32kbps

記事に書いたように AAC は 32kbps というかなり低いビットレートでも、音楽的に聴こえるという点では健闘しています。

ファイルサイズは無圧縮の WAV に対して 40 分の 1 以下。
これは MP3 より新しいアルゴリズムと周波数特性の恩恵です。

しかし、よく聴くと定位などは相当曖昧になり付帯音も耳に付き、原音に対しての再現は不完全なものということがわかります。


WMA はストリーミング再生が出来ないので、ダウンロードする形になります。
ビットレートは 128kbps です。
WMA 44,100Hz 128kbps (約 300 KB)
WMA の音質傾向は AAC 寄りです。


音楽CD をリッピング・音楽CD を作成する際の注意点

今は誰でも PC で音楽CD を焼くことが出来ますよね。
音楽CD というのは、上にも書いたように無圧縮の形式と決まっています。
では、MP3 や AAC で PC に取り込んだ曲を Windows Media Player や iTunes を使って音楽CD を作成した場合はどうなるのでしょう?

この場合、サンプリング周波数 44.1kHz、16bitの無圧縮状態に変換されて CD に書き込むことになります。
この作業は作成ソフトが内部でやってくれるので、ユーザーは特に意識することがなく音楽 CD を作れます。

ここで注意しなければいけないことがあります。
MP3 AAC WMA などは非可逆圧縮音源です。失われた情報は復元出来ません。
音楽 CD を作成した時点で音質が元に戻るということはないのです。
つまり作成された音楽CDは、取り込んだときの形式・ビットレートの音質のままということです。

厳密に言うと無圧縮状態に変換されるときにも劣化はあります。
変換工程の間に非可逆圧縮音源が含まれていれば、変換時の劣化があると思ってください。

では、高音質のまま音楽 CD をコピー作成したい場合、どうすればいいのか?
取り込む際に無圧縮( WAV )か、可逆圧縮(ロスレス)形式でリッピングすれば良いのです。

Windows Media Player や iTunes の取り込み設定で、 WAV または、ロスレス形式を選択してリッピングすれば、
理論上では劣化なしの音楽 CD を作ることが出来ます。

ただ、作成の工程で発生が避けられない、ジッター(時間軸のズレ)、 CD-Rメディアが原因の、実際には感じられない程度の劣化や変化はあります。

そしてよくあるのがデジタル音源を、そのままデータ形式で焼いてしまい、音楽CDプレイヤーで聴けないという失敗です。

書き込みの時には CD-DA (音楽CD形式)を選択しましょう。


ビットレートの違いによる容量・決め方

大雑把にビットレートを決めるときの目安と容量を書いておきます。

【〜 96kbs 】
トーク中心のラジオなど。
音質は特にこだわらない。

【 128kbs 】
標準。ある程度音楽的に聴こえてほしい。
そんなに音質を求めない。
デスクトップスピーカーでしか聴かない。
カーオーディオでしか聴かない。

【 160kbs 】
音質良く聴きたい。
普通のスピーカー、ヘッドホンで聴く。
音量は大きめで再生する。

【 192kbps 】
普段から foobar2000 など、再生プレイヤーにこだわる。
ヘッドホンにこだわる。ASIO の意味がわかる。

【 256kbs 〜】
CD と比べても遜色ない音質。
一般的に CD との違いが聞き分けられない音質。
ハイエンドの機器で聴きたい。


■ 多くの場合、デスクトップスピーカーや、再生システムの環境で、 160kbps 以上では差異が感じられない事が多いと思います。

これは、あなたの耳が悪いわけではなく、この辺りのビットレートは、しっかりとした再生環境でないがゆえ、その差を再生しきれず違いがわからないという結果に繋がっていることがほとんどです。

ただ、もうこの辺りのビットレートだと、具体的に何が違うとか一概には言えず、再生環境が非常に整ってる状態で、やっと音の分離・輪郭・定位などの違いが辛うじてわかる程度でしょうか。

そしてスマホ内蔵のスピーカーなどで違いを感じることは、まず不可能です。

そういった環境では無理に高ビットレートで保存する必要はないのですが、近年、 HDD や メモリ などのストレージ自体が大容量化されていますので、容量を節約する意味も、以前ほど感じられなくなりました。

なので、今後聴く環境が変わる可能性も考慮するのであれば、ある程度、高ビットレートを選択するのも精神衛生上、良いかと思います。

個人的には 192kbps が音質、容量も充分満足出来る選択だと思います。

以上で解説は終わりです。最後まで読んでいただきありがとうございました。
音楽が好きでも音質には意外と無頓着な方が多いんですよね。
あなたの音楽ライフに、少しでもこの記事がプラスになったら嬉しいです。


ビットレート容量一覧表 (単位は MByte )
1分2分3分4分5分6分7分8分9分10分
64 kbps0.470.941.411.882.342.813.283.754.224.69
96 kbps0.701.412.112.813.524.224.925.626.337.03
128 kbps0.941.882.813.754.695.626.567.508.449.38
160 kbps1.172.343.524.695.867.038.209.3810.5511.72
192 kbps1.412.814.225.627.038.449.8411.2512.6614.06
256 kbps1.883.755.627.509.3811.2513.1215.00216.8818.75
320 kbps2.344.697.039.3811.7214.0616.4118.7521.0923.44


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タグ:MP3 AAC
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